【広告主向け】アフィリエイト広告運用において重要なKPIとは|費用対効果を高めるために
広告主としてアフィリエイト広告の運用をしていくにあたり、「KPI」という言葉は欠かせません。KPIを正しく活用することで、広告運用での目標達成に大きく近づくことができます。
そもそも、KPIはWebマーケティング業界で頻繁に使われている言葉ですが、
「KPIって何?」
「なんでKPIが大事なの?」
という疑問を抱えている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、広告運用をしていくうえで重要なKPIについて、基本的な解説から活用方法までを解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
【復習】アフィリエイトとは
アフィリエイトとは「成果報酬型の広告」でしたね。
アフィリエイトには、
- ASP(アフィリエイトサービスプロバイダ):広告主とアフィリエイターを繋ぐ企業
- アフィリエイター:アフィリエイト広告を掲載するブログやウェブサイトの運営者
- 広告主:商品・サービスを拡販することを目的に、アフィリエイト広告の出稿をする企業
- ユーザー:サイトを訪れ、商品・サービスの購入を行う消費者
の4が関わっています。
アフィリエイターが成果を獲得するまでの流れとしては、
- ホームページやブログに特定の商品・サービスの広告を掲載する
- ユーザーがその広告から商品・サービスの購入をすることで、広告主の利益が生まれる
- アフィリエイターに成果報酬が送られる
という形でした。
アフィリエイトには、広告がクリックされるごとに広告費が発生する「クリック課金型(PPC)」のアフィリエイトや、広告が表示されるごとに広告費が発生する「インプレッション課金型」のアフィリエイトも存在します。
アフィリエイターは、自身のホームページやブログなどにユーザーを集める必要があります。なので、コンテンツを増やすことや、ユーザーを集める工夫をすることが大切になってきますね。
広告主には、広告の運用をすることが求められます。つまり、適材適所で「費用対効果を最適化する」ことが必要となってきます。掲載先やターゲットとなるユーザーをしっかりと見極め、PDCAを回していくことで最適化をしていくのです。
アフィリエイト広告運用で重要なKPIとは
それでは本題の「KPIとは何か」について見ていきましょう。KPIについての基本的な解説から、KPIと一緒に覚えておきたい用語などについてまとめていきます。
KPIについて考えていくことで広告主にどのようなメリットをもたらしてくれるのか、確認をしていきましょう。
KPIとは
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。
企業や部署で設定している目標を達成するうえで必要な中間目標として、目標の達成度合いを計測・監視するための定量的な指標のことです。
正しく設定したKPIを全て達成すれば、全体目標も達成できるようになっており、ゴールに到達するための過程として考えるとわかりやすいかもしれません。
KPIと一緒に覚えておきたい用語
KGI
KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。
KPIが目標達成のための指標であるのに対して、KGIは最終的な達成目標そのもののことです。
KGIを定める際には、抽象的・定性的な目標ではなく、具体的・定量的な目標を設定することが大切です。
単に「売上をUPする」ではなく、「◯ヶ月で売上を◯%UPする」といったように、期間や改善率などについて具体的に指定するようにしましょう。
KSF
KSFとは「Key Success Factor」の略で、日本語では「重要成功要因」と訳されます。
目標を達成するために必要となる要因のことです。
KGIを達成するために外部環境分析や内部環境分析(3C分析やSWOT分析)などを行っているかと思いますが、それらを元に導き出された定性的な行動(施策)等がKSFとなります。
KBI
KBIとは「Key Behavior Indicator」の略で、日本語では「重要行動指標」と訳されます。KPIとして設定した指標をクリアするために、具体的にどんな行動を取るのかを明らかにしたものです。
KBIに沿った施策を進めていくにつれて、KPIを達成するためにはもっとこういう動きをした方がいいという気づきが出てくることもあるかと思います。そのときは、KBIを変更していくことで、柔軟な動きを取ることが大切になります。
正しいKPI設定がもたらす恩恵
企業がマーケティングを進めていくうえで、KPIが重要だとこれまで伝えてきましたが、具体的にKPI設定をすることで、どんなメリットを得ることができるのでしょうか。
適切なKPI設定により得られるメリットは以下の4つです。
- 目標達成までのプロセスの可視化
- 行動の明確化
- 組織力の向上
- 各個人の評価を「見える化」
目標達成までのプロセスの可視化
KPIが設定されることで、KGI達成をするためのプロセスが可視化されます。
わかりやすい例を挙げると、富士山の頂上を目指すという目標(KGI)を立てたとしましょう。その頂上に到達するために、どのルートを辿ればいいのか、何日間で登頂をするのかなどの計画(KPI)を立てますよね。
計画を立てることで、富士山登頂までの道標をわかりやすく示すことができます。
「どの数値をどれくらい改善していけば目標達成できるのか」についてのプロセスが明らかになるのです。
行動の明確化
KPI設定により、組織・個人のそれぞれにおいて、現状と目標との乖離や目標達成までのプロセスが可視化され、目標に到達するために取るべき行動が明確化されます。
これにより、不安や迷いがない状態で仕事に取り組むことができるようになります。
行動の結果についても、数値として成果が返ってくるため、取った行動の良し悪しも簡単に評価することができます。
組織力の向上
正しいKPI設定は、組織力の向上にも貢献をしてくれます。
KPIやKGIを設定することは、組織全体として達成しようとしている目標に向けて、全員が同じ方向を向いて歩みを進めることを可能にします。
また、KPIの設定をすることで、組織内での共有言語としてKPIが扱えるようになります。KPIによるコミュニケーションを取ることで、曖昧さが排除された齟齬のないやり取りを実現できます。
各個人の評価を「見える化」
KPIにより、各個人の評価基準を「見える化」することが可能になり、チームやメンバーに対して公平な評価をくだすことができるようになります。
あくまで評価基準のうちの1つですが、誰の取った行動が組織目標に対してどれくらいのインパクトを残したのかが、定量的に明らかになることで、理論的に正当な納得感のある評価をすることができますよね。
適切なKPIを設定するために
ここまで、適切なKPIを設定することが大切であるとお伝えしてきましたが、実際にKPIを設定する際には、どのように決めていくのがいいのでしょうか。
ここではその方法について解説をしていきたいと思います。
SMARTを意識
KPI設定のためによく用いられるモデルとして、「SMART」というものがあります。
SMARTとは、
- Specific(具体的に):具体的で明確なものにする
- Measurable(測定可能な):目標の達成具合が判断できるように定量化する
- Achievable(達成可能な):現実的に考えて実現可能性のあるものにする
- Relevant(目標に関連した):KGIに関連しているものにする
- Time-bounded(期限を定めた):達成期限を設けるようにする
の頭文字から取られています。
このSMARTを全て満たすように意識するだけで、適切なKPIの設定をすることができるようになります。
因数分解を繰り返す
KPIの要素を抽出する際には、KGIから繰り返し因数分解をすることが大切になります。
例を見てみましょう。下図はECサイトの利益改善を目的としたKPIの要素を抽出したものになっています。
KGIを利益として、「利益 = 売上 – 費用」という分解から要素抽出を始めています。
売上と費用について細かくみていくと、
- 売上 = 購入者数 × 客単価
- 購入者数 = ECサイトへのセッション数 × CVR
- 客単価 = 商品単価 × 購入点数
- 費用 = 固定費 + 変動費
という形になっております。もちろん実際には、これ以降も因数分解をしておりたくさんの要素を抽出しています。基本的には、上記のような形でロジックツリー状に表していくことで、全体像を確認しながら因数分解を行えるかと思います。
※ECサイトのアフィリエイトについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください
>【広告主向け】ECサイトの売り上げを伸ばすアフィリエイト広告活用方法
改善しやすくインパクトの大きいものからKPIとする
ここまで、SMARTを意識しながらKGIから因数分解をするという流れを説明してきました。
最後に、抽出した要素について、どれをKPIとして設定するのかについてみていきましょう。
ポイントは「改善しやすくインパクトの大きいもの」からKPIに設定するということになります。
簡単に改善をすることができて、改善をしたときの数値インパクトが大きいものをピックアップすることが大切です。
そうすることで、施策にかけるコストを少なくしながらも、より効率的にKGIの改善を行えるでしょう。
時間の経過とともにKPIの数値目標を変更することや、KPIに設定している要素を変更することは問題ありません。
その時々で最適なKPI設定をし続けることで、KGI達成の確率は高くなっていくのです。
Webマーケティングで大切なKPI一覧
ここまでKPIの基本的な解説をしてきました。この見出しでは、KPIについて具体的な内容を確認していきましょう。
WebマーケティングでKPIとして設定されるものの一覧をまとめたのち、アフィリエイトで特に重要となるKPIについてピックアップしていきます。
集客関連のKPI
インプレッション(Imp)
インプレッションとは、広告やサイトなどがインターネット上で表示された回数のことです。
自分たちの広告やサイトがどれくらいの人の目に入っているのかを表す指標になります。
クリック数
クリック数とは、インターネット上に公開されている広告やサイトなどがクリックされた回数のことです。
CTR(クリック率)
CTRとはClick Through Rateの略で、クリック率のことです。
- CTR = クリック数 ÷ インプレッション × 100
広告やサイトなどが表示された回数のうち、どれくらいの割合でクリックされたのかを表す指標になります。
セッション数
セッション数とは、サイトへの訪問者がサイトを閲覧し離脱するまでの流れを集計したものです。
ある特定の人物が、朝にサイトを訪れ、夜に再びサイトを訪れた場合、セッション数は2回としてカウントされます。
PV数(ページビュー)|アクセス数
PV数とは、サイト訪問者が閲覧したページ数のことです。
サイト訪問者が、1回のセッションで3ページの閲覧をした場合、PV数は3回としてカウントされます。
PC数が多いと、それだけ訪問者にサイトを回遊してもらえているということになります。コンテンツの質やCTAまでの導線改善の判断材料として利用できる指標です。
ユニークユーザー数(UU)
ユニークユーザー数とは、ある一定期間内にそのサイトを訪れたユーザー数のことで、期間内に同一人物が複数回サイトを訪れても、ユニークユーザー数は1人としてカウントされます。
コンバージョン数(CV)
コンバージョン数とは、広告主が設定した成果の発生件数のことです。
企業によって、商品の購入やお問い合わせ、会員登録などCV地点は異なるかと思います。
CVR(コンバージョン率)
CVRとはConversion Rateの略で、コンバージョン率のことです。
- CVR = CV数 ÷ セッション数 × 100
サイトを訪問した回数のうち、どれくらいの割合でCVにつながっているのかを表す指標になります。
LTV
LTVとはLife Time Valueの略で、顧客生涯価値のことです。
あるユーザーが、取引(会員登録や商品の購入など)を開始してから取引の終了までに、どれくらいの利益をもたらすのかを表すための指標になります。
ユーザーが継続的に商品・サービスの利用をしてくれるようになれば、LTVは高まっていくので、企業としては、LTVを高めるための工夫を凝らす必要があります。
費用対効果関連のKPI
ROI
ROIとはReturn on Investmentの略で、投資コストに対する利益のことです。
- ROI = 利益 ÷ 投資コスト × 100
広告費などの投資によってどれだけの利益を得ることができたのかを表し、施策の採算を数値として確認することができます。
計算結果がプラスになった場合は、利益が生じているということになります。
ROAS
ROASとはReturn on Advertising Spendの略で、広告費に対する売上のことです。
- ROAS = 売上 ÷ 広告費 × 100
投下した広告費によってどれだけの売り上げを上げることができたのかを表し、掲載した広告が売上に貢献しているのかどうかを判断することができます。
100%を基準にして、計算結果が高いほど費用対効果が高いということになります。
CPM
CPMとはCost Per Milleの略で、インプレッション単価のことです。Milleとはラテン語で1,000を表します。
- CPM = 広告費 ÷ インプレッション × 1,000
ネット上に掲載した広告が、1,000回表示されるあたりに発生するコストを算出することができ、インプレション数が多くなるほどCPMは下がり、費用対効果が高いと言えます。
CPC
CPCとはCost Per Clickの略で、クリック単価のことです。
- CPC = 広告費 ÷ クリック数
ネット上で掲載した広告の、1クリックあたりの広告費を算出することができ、クリック数が多くなるほどCPCは下がり、費用対効果が高いと言えます。
CPA
CPAとはCost Per Acquisitionの略で、顧客獲得単価のことです。
- CPA = 広告費 ÷ CV数
広告の費用対効果を確認する方法で、1コンバージョンあたりに発生した広告費を表し、CPAが低い方が少ない広告費で顧客の獲得ができたと言えます。
アフィリエイト広告運用で特に重要なKPI
ここで取り上げたKPIのうち、広告主がアフィリエイト広告運用をするにあたって、特に重要なKPIについて説明していきたいと思います。
アフィリエイト広告運用において、一番重要であるKPIはCPAです。
CPAは、CV1件あたりにかかる広告費のことですが、成果獲得ができているからといってCPAが高くなってしまっていると、収益を圧迫する原因となってしまいます。
逆に、獲得件数が少なくてもCPAを抑えることができていれば、企業にとっては痛手であるわけではありません。
運用者としては、CPAをベースにアフィリエイト広告運用状況の良し悪しを判断していくことが多くなるでしょう。
次に注目したいKPIは、CV数(獲得件数)です。
企業がアフィリエイト広告を運用する目的は、やはり商品・サービスの新規顧客獲得のためだと思います。
ですので、アフィリエイトを実施するからには、獲得件数をしっかり追う必要がありますよね。
アフィリエイト広告運用の費用対効果を高めるためのKPI活用方法
KPI達成までのタスクを細かく分解する
何度もお伝えしますが、KPIはKGIを達成するための数値目標になります。そのために、KPIを達成するために必要なことをわかりやすく分解することで、誰が何をすればいいのかが具体化されます。
タスクレベルにまで細かくすることで、確実なKPI達成をメンバー全員が理解したうえで進むことができるようになるでしょう。
KPIに対する意識を強くする
メンバー全員のKPIに対する意識を強くすることで、当事者意識を強く持ったまま業務に取り組めるようになります。自分たちが今やらなければならないことを頭に入れた状態で、定期的に進捗を確認することが大切です。
日次や週次で確認作業をするだけでも、KPIに対する意識を強く保てるでしょう。
KPI達成のためにPDCAを継続的に回す
これは、アフィリエイト広告運用に限らないことですが、マーケティングを行っていくにあたり、継続的なPDCAを回すことは欠かせません。
KPI達成のために行った施策について、結果に対して一喜一憂するのではなく、なぜそのような結果が生じたのかなどの考察を怠らず、次の施策へと活かしていくことを繰り返しましょう。
継続的にPDCAを回していくことで、ノウハウとして蓄積されていき、今後の施策をより精度の良いものにすることができます。
「CPAが下がった」「獲得件数が増えた」で終わらせるのではなく、なぜそうなったのかという疑問を浮かべながら、PDCAサイクルを回していきましょう。
まとめ
この記事では、KPIについての基本的な内容から、アフィリエイト広告運用とKPIの関係性についてお伝えしてきました。
記事を振り返ると
- KPIとは、KGIを達成するうえで必要な中間目標として、目標の達成度合いを計測・監視するための定量的な指標である
- KPIを適切に設定することで、目標までのプロセスを具体化することや行動の明確化をすることができる
- 適切なKPIを設定するためには、SMARTを意識してKGIを因数分解していく
- アフィリエイト広告運用において重要なKPIは、CPAとCV数である
- KPIを達成するために継続的にPDCAを回していくことが、KGI達成につながる
といった内容でした。
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んだ方が、少しでもアフィリエイト広告運用とKPIについての理解を深める力になれましたら幸いです。
FREEDiVEでは、広告主の方に向けて、広告運用代行サービスを提供しています。
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